同じ人をもう1日だけ調べてもらう場合と、別の人まで調べたい場合は、同じ変更ではありません。追加契約に進む前に、まず「元の契約でまだ残っている範囲」と「新しく頼みたいこと」を分けて書き出すと、料金、報告方法、期限、担当範囲の行き違いを減らせます。
探偵への依頼内容を変える前に、同じ対象者の日程追加・別人調査・目的変更を分けましょう。元契約の残り範囲、料金の増減、担当、成果物、報告期限を新旧比較する表と、追加依頼を確定せず質問する文例を紹介します。
「調査日を増やすだけ」と「依頼内容の変更」は何が違う?
探偵への依頼内容を変えたいと感じる場面には、性質の違うものが混ざりやすいです。たとえば、同じ対象者について予定日を増やすだけなら、元の目的や対象者は変わらないかもしれません。一方で、配偶者の相手らしき別人を調べたい、勤務先や住所を特定したい、浮気確認から慰謝料請求の資料作成に目的を変えたい、という場合は、調査の対象・方法・報告内容が変わる可能性があります。
整理の第一歩は、次の3分類に分けることです。
| 変更の種類 |
例 |
確認したい点 |
| 同じ対象者の調査日追加 |
予定した日では動きがなかったため、同じ人を別日に見る |
追加日、時間帯、料金の増減、報告期限 |
| 別人調査 |
同行者、交際相手と見られる人、関係者を調べたい |
新たな対象者として契約が必要か、取得できる情報の範囲 |
| 調査目的の変更 |
事実確認から、資料化や別目的の確認へ変える |
目的が適法か、成果物の形式、弁護士等への相談要否 |
この分類をせずに「追加でお願いします」と伝えると、依頼者は日数追加のつもりでも、探偵社側は別調査として扱うなど、認識がずれることがあります。浮気を確定した前提で話を進める必要はありません。分かっている事実、推測、確認したい疑問を分けて伝えることが大切です。
相談前の準備を表したイメージ画像です。
まず元契約の残り範囲を棚卸しする
変更を相談する前に、手元の契約書、重要事項に関する説明書、見積書、報告予定が分かる資料を見直します。神奈川県警は、探偵業の契約前後の書面で、料金、解約、報告方法・期限、委託に関する項目などを確認できると案内しています。探偵に特別な権限が与えられるわけではない点も、依頼内容を広げる前に意識したいところです。参考:神奈川県警「探偵業に係る契約時の書面等」(確認日:2026年9月18日) 神奈川県警「探偵業法の概要」
棚卸しでは、次の項目を1枚にまとめます。
- 元契約の対象者:誰についての調査か
- 元契約の目的:何を確認する依頼だったか
- 残っている調査日・時間・作業範囲
- すでに実施された内容と未実施の内容
- 報告書、写真、動画、口頭報告など成果物の予定
- 報告予定日、途中報告の有無
- 解約、延期、未使用分の扱いに関する記載
- 外部委託や担当者変更に関する説明の有無
ここで「まだ契約内で対応できること」と「新たな契約・変更合意が必要そうなこと」を分けます。契約の読み方に不安がある場合は、いきなり追加を決めず、探偵の無料相談で確認する項目を使って質問を整理する方法もあります。
追加契約前に新旧条件を比較する
依頼内容を変えるときは、新しい条件だけを見るのではなく、元の条件との比較表を作ると判断しやすくなります。口頭説明を聞いたあとでも、書面やメールで同じ内容を確認できる形にしておくと、後から見直しやすくなります。
編集部作成の比較表例です。実際には、契約書面の項目名に合わせて調整してください。
| 項目 |
元契約 |
変更後に確認すること |
| 対象者 |
配偶者など同じ人 |
別人を含むか、同一対象の追加か |
| 目的 |
行動確認、接触確認など |
目的が変わるか、違法・不適切な依頼にならないか |
| 実施日・時間 |
契約済みの日程 |
追加日、振替、未使用分の扱い |
| 料金 |
見積・契約の内容 |
増額、減額、支払時期、キャンセル時の扱い |
| 担当・体制 |
説明済みの担当者等 |
担当変更、外部委託、連絡窓口 |
| 成果物 |
報告書、写真等 |
形式、受け取り方法、写真等の提示か提供か |
| 報告期限 |
契約上の予定 |
追加後の提出時期、途中報告の有無 |
特に、写真や資料については「その場で見せるだけなのか」「データや紙で提供されるのか」で受け取り方が異なります。調査報告書の見方は、調査報告書で確認したい点も参考になります。
追加を検討する段階では、相談条件も確認しておきましょう。相談が無料か、見積だけで契約を保留できるか、匿名相談が可能か、契約前に書面を持ち帰れるかを聞いてから、次の判断に進むと落ち着いて比較できます。
資料整理のイメージ。実際の契約書・調査報告書ではありません。
口頭追加を避けるための質問例・文例
依頼内容の変更は、急いでいるほど電話だけで進めたくなります。しかし、対象者、目的、成果物、期限、増減額が変わるなら、後で確認できる形にしておくほうが安全です。ここでは、編集部作成の質問例と文例を示します。
短いチェックシートとして、送信前に確認してください。
- 変更したい対象者は、元契約と同じ人か
- 新たに知りたいことは、元の目的から外れていないか
- 調査しない選択、保留する選択も比較したか
- 追加費用だけでなく、未使用分の扱いも聞いたか
- 報告書の形式、提出時期、連絡方法を確認したか
- 担当者や外部委託の有無を確認したか
- 口頭説明と書面・メールの内容が一致しているか
編集部作成の質問例:
「今回お願いしたいのは、元契約と同じ対象者の調査日追加に当たりますか。それとも別契約として扱われますか。」
「追加後の報告書には、元契約分と追加分がどのように分けて記載されますか。」
「未実施分がある場合、追加分へ振り替えられるのか、別扱いになるのかを確認したいです。」
「写真等は提示のみですか、提供されますか。提供される場合の形式も教えてください。」
編集部作成のメール文例:
件名:依頼内容変更の条件確認について
本文:
現在の契約内容を確認したうえで、依頼内容の変更を検討しています。元契約の残り範囲、追加または変更となる項目、料金の増減、担当体制、成果物の形式、報告期限、解約・保留時の扱いを、書面またはメールで確認させてください。内容を確認してから契約するか判断したいため、本連絡のみで追加依頼を確定する意図はありません。
この文例は、相手を疑うためではなく、認識をそろえるためのものです。契約を急がされていると感じる場合は、その場で決めず、見積書や説明書を持ち帰る選択もあります。
依頼できない調査や目的変更に注意する
依頼者にとって切実な事情があっても、必要性だけでどのような調査も頼めるわけではありません。探偵は公的機関ではなく、特別な権限を持つわけでもありません。個人情報の取得、住居や勤務先への接触、位置情報の扱い、別人調査などは、目的や方法によって問題が生じる可能性があります。
たとえば、「相手の素性をもっと知りたい」という表現だけでは、何をどの方法で確認するのかが曖昧です。相談時には、調査会社に対して「その方法は適法性に問題がないか」「実施しない範囲は何か」「断られる調査は何か」を聞くことが重要です。法的な判断が関わる場合は、探偵だけで完結させず、弁護士等に相談する選択肢もあります。探偵と弁護士の役割の違いは、弁護士と探偵の相談先の違いで整理できます。
契約内容や追加請求について不安がある場合、消費者ホットライン188から地域の消費生活相談窓口につながる案内があります。相談自体は無料とされていますが、通話料がかかり、受付時間などは窓口により異なります。返金を保証する窓口ではないため、契約書、見積書、やり取りの記録を手元に置いて相談するとよいでしょう。参考:消費者庁「消費者ホットライン」(確認日:2026年9月18日) 消費者庁「消費者ホットライン188」
追加依頼前に新旧条件を読み直す
探偵への依頼内容を変更したいときは、まず変更の種類を見分けます。同じ対象者の調査日追加なのか、別人調査なのか、調査目的の変更なのかで、確認すべき項目が変わります。次に、元契約の残り範囲、変更する項目、料金の増減、担当体制、成果物、報告期限、解約や保留時の扱いを、新旧比較で整理します。
次に確認する事項は、次の順番がおすすめです。
- 元契約でまだ実施されていない範囲を確認する
- 変更したい内容を、対象者・目的・日程・成果物に分けて書く
- 追加契約か、契約内変更か、別契約かを質問する
- 料金の増減、未使用分、保留時の扱いを確認する
- 報告書や写真等の受け取り方、提出時期を確認する
- 適法性に不安がある内容は、実施可否と相談先を確認する
- その場で決めず、書面やメールで条件を見直す
契約しない、いったん保留する、公的な相談窓口に確認するという選択もあります。追加調査は、疑問を解消するための手段の一つにすぎません。焦って範囲を広げるより、何を確認したいのか、どの条件なら納得できるのかを先に言葉にしてから判断しましょう。
まとめ
疑いを抱えたまま過ごすのは心身の負担になります。 専門の探偵事務所への相談は無料で行えるところがほとんどです。 まず話を聞いてもらうだけでも、状況を整理する助けになります。