眠れない日が続く。食欲が落ちて、ふとした瞬間に涙が出る。配偶者の浮気で受けたこの苦しさは、慰謝料の請求でどう扱われるのか——そう考えて「精神的苦痛の証拠」を調べている方は少なくありません。苦しんだ事実をどう形に残せばいいのか、この記事で整理します。
結論:浮気の慰謝料請求では「不貞の事実を示す証拠」が土台になり、診断書・通院記録・日記などの精神的苦痛の証拠は、苦痛の程度を裏づけて金額の評価に影響しうる補強材料です。苦痛の証拠だけでは請求は進まない一方、残しておく価値は大きいものです。この記事では、証拠になるものの一覧と、信用される記録の残し方を解説します。
慰謝料請求で「精神的苦痛」はどう扱われるか
慰謝料とは、精神的苦痛に対する損害賠償です。不貞行為は配偶者に精神的苦痛を与える行為とされているため、不貞の事実が立証できれば、苦痛の一つひとつを細かく証明しなくても請求自体は成り立ちます。
では精神的苦痛の証拠は不要かというと、そうではありません。慰謝料の金額は、婚姻期間、不貞の期間や回数、夫婦関係への影響、そして受けた苦痛の程度といった事情を総合して評価されます。体調を崩して通院した、仕事を休まざるを得なかった——そうした事実を示す資料は、苦痛の程度を裏づける事情として考慮されうるのです。
つまり構造は二段構えです。
- 不貞の事実の証拠:請求の土台。これがないと始まらない
- 精神的苦痛の証拠:苦痛の程度を裏づけ、金額の評価に影響しうる補強材料
精神的苦痛の裏づけになる証拠一覧

具体的にどんなものが証拠になりうるのか、一覧にします。
| 証拠 | 何を示せるか |
|---|---|
| 心療内科・精神科の診断書 | 不調の内容と、診断された時期 |
| 通院履歴・診療明細・お薬手帳 | 通院の期間と継続性 |
| 日記・時系列のメモ | いつ何があり、自分がどんな状態だったか |
| 職場の欠勤・休職の記録 | 生活や仕事への影響 |
| 家族や友人の証言 | 様子の変化を第三者の目で裏づけ |
| 相手の暴言や開き直りの録音 | 苦痛を深めた言動の存在 |
注意したいのは、診断書を「証拠のために」取りに行くという発想にしないことです。診断は医師が行うもので、自己判断で病名を決めることはできません。心身の不調が続いているなら、まず自分の回復のために専門機関を受診してください。その受診の記録が、結果として苦痛の裏づけにもなる、という順序が自然です。
信用される日記・メモの残し方
日記やメモは自分で作る記録なので、書き方によって信用度が変わります。ポイントは次のとおりです。
- その日のうちに書く:後からまとめて書いた記録より、出来事の直後の記録のほうが信用されやすい
- 日付と事実を先に、感情はそのあとに:「◯月◯日、帰宅は深夜1時。香水の匂い。眠れなかった」のように、事実と自分の状態をセットで
- 改変しにくい形にする:連番のノートに続けて書く、自分宛てにメールを送る、日付が自動で記録されるアプリを使うなど
- 消さない・破らない:都合の悪い日も含めて連続していることが、記録全体の信用につながります
私は発覚した日から、事実だけを短くノートに書き続けました。眠れなかった日、通院した日、夫に言われた言葉。弁護士に相談したとき、日付の入った記録が時系列でそろっていたおかげで、状況の説明が一度で済みました。「記録がある人は強いですよ」と言われたのを覚えています。
苦痛の証拠「だけ」では進まない——不貞の証拠とセットで
ここが一番大切な点です。診断書や日記がどれだけそろっていても、不貞の事実そのものを示す証拠がなければ、相手に「浮気はしていない。体調不良は別の原因だ」と否定されたときに反論できません。
不貞の事実の立証には、ホテルへの出入りの記録のような、言い逃れの難しい証拠が求められます。手元のLINEのスクリーンショットだけで足りるのかは、その証拠で足りる?で確認できます。そして、苦痛の記録は自分で残せても、不貞の決定的な場面の記録は自分では撮れないのが現実です。ここは調査のプロに任せる領域で、証拠がそろったあとの交渉を任せられるのは弁護士だけです。両者の使い分けは弁護士と探偵どっちに相談?で整理しています。自分の場合はどこから手をつけるべきか、まず無料相談で道筋を確かめることから始められます。






