「1時間2,500円〜」という表示を見て問い合わせたら、見積もりは想像の何倍にもなっていた——探偵の料金ページでよくある行き違いです。前回、うわきしらべ編集部は探偵事務所218社の公式サイトを調べ、具体的な料金を公開している事務所が2割に満たないことを確認しました(探偵事務所218社を独自調査)。今回はその続編として、料金を公開している事務所の「◯円〜」の中身を分解します。
結論:当サイト掲載データベース219社のうち、料金を具体的に公開しているのは47社(21%)でした。時間単価型37社の中央値は1時間6,600円で、一般的な相場観と整合します。ただし「調査員1名あたり」と明記する事務所が19社あり、2名体制なら体感は表示の約2倍。最安帯の表示には条件が付くのが通例です。この記事では「◯円〜」の読み方を、集計データをもとに解説します。
集計の概要:料金を公開する47社の「◯円〜」を分解
本稿の母集団は、当サイトに掲載している探偵事務所のデータベースです。公安委員会への届出番号を確認済みの219社(2026年8月末時点)のうち、公式サイトで「1時間◯円」「1日◯円」といった具体的な金額を公開していたのは47社(21%)でした。
第1弾の調査(2026年8月・218社)では料金公開は19%でしたが、本稿の21%との差は、集計した母集団と時点が異なることによるものです。数週間で料金公開が進んだ、と読むのは適切ではありません。
47社の「◯円〜」をそのまま並べると、最安2,500円から最高110,000円まで40倍以上の開きがあります。高額側はパック料金や1日料金をそのまま最安表示にしている事務所で、時間単価と同じ土俵では比べられません。そこで本稿では、金額の分布と、金額に添えられた注記(表示条件)の2つの角度から分解しました。なお、本稿の数値はすべて当サイト掲載データベースの集計によるもので、公的統計ではありません。
時間単価の分布:中央値6,600円、5,000〜8,000円未満に4割が集中
まず、47社の最安表示を金額帯ごとに並べます。

| 最安表示の金額帯 | 社数(47社中) |
|---|---|
| 3,000円未満 | 2社 |
| 3,000〜5,000円未満 | 7社 |
| 5,000〜8,000円未満 | 20社 |
| 8,000〜10,000円未満 | 5社 |
| 10,000〜20,000円未満 | 7社 |
| 20,000円以上(パック料金等) | 6社 |
最多の帯は5,000〜8,000円未満の20社で、47社の4割強がここに収まります。パック・1日料金を除き、時間単価として比較できる37社に絞ると、最安2,500円・最高22,000円・中央値6,600円でした。
浮気調査の相場としてよく示される「調査員1名・1時間6,000円〜1万5,000円」という水準と、中央値6,600円は矛盾しません。つまり、公開されている単価そのものは、おおむね妥当な範囲に収まっています。問題は単価の水準ではなく、「◯円〜」という表示の読み方にあります。次から順に見ていきます。
「◯円〜」の注記を分類すると:19社が「調査員1名あたり」
47社が金額に添えている注記を分類すると、次のようになりました(1社で複数に該当する場合があります)。

- 時間単価型の表示:39社
- 「調査員1名あたり」と明記:19社
- 成功報酬・後払い・返金保証の併記:10社
- パック・定額型の表示:9社
- 初回・特別価格の明記:2社
注目したいのは「調査員1名あたり」の19社です。浮気調査の尾行・張り込みは2名体制で行うのが基本のため、1名あたり表示の事務所に実際に依頼すると、1時間あたりの体感は表示の約2倍になります。中央値の6,600円でも、2名体制なら1時間13,200円。5時間の調査なら、単価部分だけで66,000円という計算です。
「1時間7,000円くらいなら頼めそう」と思って見積もりを取ったら、2名体制が前提だと説明されて、時間あたりの金額が頭の中の倍になりました。料金表の隅に小さく「調査員1名あたり」と書いてあったのを、私は見落としていたんです。サイトの数字だけで予算を組まなくて正解でした。
最安帯の2,000〜4,000円台は、条件付きが通例
分布の左端、3,000円未満の2社と3,000〜5,000円未満の7社——いわゆる2,000〜4,000円台の最安帯には、共通する特徴があります。金額に条件が付いていることです。当サイト掲載データベースで見られた表示を、個社が特定されないよう一般化すると、次のような形です。
- 「初回特別価格」として1時間2,500円前後を掲げる
- 保証付きプランの「調査員1名あたり」として2,000円台後半を示す
- 1週間以上の契約を前提に時間単価4,500円とする
「初回・特別価格」であることをはっきり書いていたのは47社中2社だけですが、最安帯の表示には、初回限定・調査員1名・長期契約前提といった条件がどこかに添えられているのが通例でした。条件付きの価格表示そのものは、他の業界でも見られる商慣行で、悪質と決めつける理由にはなりません。ただ、その金額が「自分のケースに適用される金額」かどうかは別問題です。最安表示に惹かれて問い合わせるなら、通常料金がいくらかを最初に確認する前提で臨んでください。
時間単価は総額ではない:総額=単価×人数×時間+経費
もう1つ、単価の比較だけでは見えないものがあります。実際に支払う総額です。浮気調査の総額は、おおまかに次の式で決まります。
総額 = 時間単価 × 調査員の人数 × 調査時間 + 経費(車両費・機材費・報告書作成費など)
単価が1,000円安くても、2名体制で10時間動けば差は2万円にとどまります。一方で、経費が「込み」か「別」かの違いで、それ以上の差が付くこともあります。単価の安さは、総額の安さと同じではありません。1日単位の費用感を具体的に知りたい方は、浮気調査の費用は1日だけならいくら?で料金の仕組みから確認できます。
私は2社から見積もりを取りましたが、時間単価はほとんど同じでした。差が付いたのは車両費と報告書作成費の扱いで、総額では数万円の開きが出たんです。単価の欄だけを見比べていたら、この差には気づけなかったと思います。





