警察官や自衛官の恋人からプロポーズされ、喜びと同時に「結婚には身辺調査があるらしい」と聞いて不安になっていませんか。自分や家族の過去、借金のこと、どこまで調べられるのか——。調べられる側として何が起きるのか知っておきたいと思うのは、やましいことがあるかどうかとは関係なく、自然な気持ちです。
結論:警察官の結婚にともなう身辺調査は制度として公表されておらず、一般に結婚相手について何らかの確認が行われると言われている、という水準でしか語れません。一方、自衛官のうち特定秘密を扱う隊員については、配偶者を含む家族の氏名・国籍等を調査する適性評価が法律で定められています。なお、調査を理由に組織が結婚自体を禁止することはできません。この記事では確かな範囲と考え方を整理します。
警察官・自衛官の結婚に身辺調査はあるのか
まず、いちばん大切な前提からお伝えします。警察官が結婚する際にどのような手続きや確認があるのかは、制度として公表されていません。「結婚相手の三親等まで調べられる」「家族に前科があると結婚できない」といった具体的な話がネット上にはあふれていますが、いずれも真偽を確かめる方法がなく、断定できる情報ではないのです。
言えるのは、警察官や自衛官が職務の性質上、機密情報や銃器を扱う立場であることから、一般に、結婚に際して相手について何らかの報告や確認が行われると言われている、というところまでです。
だからこそこの記事では、「確かなこと」と「一般に言われていること」を区別して整理します。不確かな噂に振り回されないことが、不安と向き合う第一歩になります。
どこまで調べられると言われているか

一般に、結婚相手の身辺調査で確認されると言われているのは、次のような事項です。繰り返しになりますが、公表された制度ではなく、あくまで「言われている」水準の情報です。
- 氏名・生年月日・国籍などの基本的な事項
- 犯罪歴の有無
- 反社会的勢力とのつながりの有無
- 特定の団体との関わり
- 家族構成
一方、借金については誤解が多いところです。信用情報機関(CIC・JICC・KSC)の記録は本人開示が原則で、組織が結婚相手の借入状況を照会する仕組みはありません。借金がどの経路で判明しうるかは公務員・警察官の身辺調査で借金はわかるかで詳しく整理していますが、通常の借入が外部から直接わかる経路は限られています。
私は婚前調査を依頼した側ですが、だからこそ「調べられる側」の気持ちも考えました。やましいことがなくても、見えないところで何かを確認されるかもしれないというのは落ち着かないものです。ただ、仕組みを知るほど「外からわかることは意外と限られている」と分かり、漠然とした不安はかなり小さくなりました。
自衛官の「適性評価」——法律で定められた調査
自衛官については、ひとつだけ法律に明記された調査があります。特定秘密保護法にもとづく適性評価です。
特定秘密を取り扱う隊員は、本人の同意を得たうえで適性評価を受けます。その調査事項には、本人に関する事項のほか、家族——配偶者や父母、子など——および同居人の氏名・生年月日・国籍・住所が含まれると法律に定められています。結婚して配偶者になれば、この「家族」に含まれることになります。
ここで押さえておきたいのは次の2点です。
- 適性評価は特定秘密を取り扱う職員を対象とした制度であり、すべての自衛官・公務員が対象ではない
- 調査は評価対象者本人の同意を前提とした、法律にもとづく手続きである
つまり「自衛官と結婚したら配偶者が際限なく調べられる」わけではなく、法定の枠組みの中で、定められた事項が確認される制度だと理解しておくとよいでしょう。
身辺調査で「結婚できなくなる」ことはある?
いちばんの不安はここだと思います。結論から言えば、憲法は婚姻の自由を保障しており、身辺調査の結果を理由に組織が職員の結婚を禁止することはできません。家族に借金があっても、離婚歴があっても、結婚そのものを妨げる法的な仕組みはないのです。
一般に言われるのは、結婚の可否ではなく、機密を扱う部署への配置や昇任に影響する場合がありうる、という話です。ただしこれも公表された基準があるわけではなく、確かめようがありません。
むしろ実際の相談で多いのは、逆方向の不安です。「警察官だと名乗っているが本当だろうか」「自衛官という職業を信じてよいのか」——結婚詐欺では、信頼されやすい職業が名乗られやすいことが知られています。相手の職業や身元に引っかかりが残っているなら、結婚前に確かめておくことは、自分と家族を守る備えになります。確かめたい内容を伝えれば、調査として成り立つかどうかから無料相談で確認できます。






