「探偵社から調査報告書を受け取ったあと、弁護士へそのまま送ってよいのでしょうか」。答えは、まず原本を改変せず保管し、弁護士側が求める形式を確認してから共有するのが安全です。報告書だけを渡すより、相談目的、時系列、入手経緯、未確認事項を一枚にまとめると、初回相談で話が整理しやすくなります。
調査報告書を弁護士へ渡す前に、原本を保管し、時系列・相談目的・入手経緯・未確認事項をまとめましょう。初回相談に持っていく資料表と一枚メモ、事前送信の形式や容量を窓口に聞く質問例を紹介します。
弁護士へ渡す前にそろえる資料セット
最初に考えることは、「全部送る」ではなく「確認しやすい形で渡す」ことです。調査報告書には日時、場所、写真、行動記録などが含まれることがありますが、弁護士が見たいポイントは相談内容により異なります。離婚、慰謝料請求、別居中の生活設計、交渉前の見通し確認など、目的が違えば必要な説明も変わります。
編集部作成の基本セットは次のとおりです。
| 資料 | 目的 | 注意点 |
|---|---|---|
| 調査報告書の原本または納品データ | 弁護士が内容を確認するため | 書き込み、切り取り、画像加工をしない |
| 時系列一枚メモ | 相談の全体像を短時間で共有するため | 推測と事実を分けて書く |
| 相談目的メモ | 何を相談したいか明確にするため | 「すぐ請求したい」以外に「見通しを知りたい」も可 |
| 入手経緯メモ | どのように資料を得たか説明するため | 自分で判断せず、弁護士に確認する |
| 未確認リスト | 不明点を相談時に確認するため | 断定せず「未確認」と記す |
| 探偵社との契約・費用書類 | 必要時に契約内容を確認するため | 相談テーマに関係する場合のみ用意 |
探偵業の契約では、契約前後の書面や報告方法、期限、料金、解約、委託の有無などを確認する項目があります。神奈川県警の案内でも、契約内容や報告に関する説明事項が示されています。参照:神奈川県警「探偵業について」(確認日:2026年9月18日)神奈川県警「探偵業法の概要」 。ここでは法律解説を広げず、弁護士へ「報告方法や納品物の範囲をどう説明すればよいか」を尋ねるための参考にしてください。

原本は改変せず、コピーとメモで説明する
報告書を読みながら、気になる箇所に線を引いたり、写真をトリミングしたくなることがあります。しかし、弁護士へ渡す前の段階では、原本データや紙の報告書には手を加えないほうが説明しやすくなります。疑問点は別紙メモに書き出し、「報告書○ページのこの部分が気になる」と参照する形にします。
データで納品された場合は、受領時のファイルを保管用として残し、相談用にはコピーを作ります。ファイル名も、内容を変えずに整理できる範囲にとどめます。例として、編集部作成のファイル名は「01_調査報告書_原本コピー」「02_時系列メモ」「03_未確認事項」のように、順番が分かる名称です。
千葉県警の資料では、契約や報告の書面に関し、写真等を提示するのか提供するのか、報告の方式などを確認する観点が示されています。参照:千葉県警「探偵業法に関する説明資料」(確認日:2026年9月18日)千葉県警「探偵業法の解釈運用基準」 。納品された写真や動画の扱いが不明な場合は、弁護士と探偵社の双方に、共有してよい範囲や方法を確認しましょう。
時系列一枚メモの作り方
弁護士相談は時間が限られることが多いため、報告書を一から読んでもらう前に、全体像を一枚で示せると便利です。長い説明文ではなく、日付、出来事、根拠資料、未確認点を分けます。
編集部作成の記入例です。
| 日付・時期 | 起きたこと | 根拠資料 | 未確認・相談したいこと |
|---|---|---|---|
| 4月上旬 | 帰宅時間が変わった | 自分のメモ | 理由は未確認 |
| 5月中旬 | 調査を依頼 | 探偵社との契約書 | 契約書を相談時に見せるべきか |
| 6月○日 | 報告書を受領 | 調査報告書 | この内容をどう評価するか |
| 現在 | 今後の対応を検討 | なし | 交渉、保留、別の相談先の選択肢 |
ポイントは、感情や推測を消すことではなく、事実と推測を混ぜないことです。「相手は浮気している」と決めつけて書くのではなく、「報告書には○月○日の行動記録がある」「その評価を知りたい」と整理します。弁護士は、資料の内容だけでなく、入手経緯や今後の希望も踏まえて助言するため、未確認のまま残す欄があって問題ありません。
送信方法・圧縮・共有範囲は窓口に確認する
報告書には個人情報や写真が含まれることがあります。初回相談の予約を取ったら、資料を事前送付できるか、送付できる場合の方法を確認しましょう。メール添付、オンラインフォーム、郵送、当日持参など、事務所によって扱いは異なります。大容量ファイルを自己判断で外部サービスに上げる前に、窓口へ確認することをおすすめします。
依頼先に聞く質問例は次のとおりです。いずれも編集部作成の文例です。
- 調査報告書は事前に送ったほうがよいですか。当日持参のほうがよいですか。
- 写真や動画がある場合、どの形式で共有すればよいですか。
- ファイルを圧縮する場合、パスワード設定や分割送信の指定はありますか。
- 原本ではなくコピーを送ってもよいですか。
- 時系列メモや未確認事項のリストも一緒に送ってよいですか。
- 探偵社との契約書や請求書は、今回の相談で必要ですか。
調査後に追加調査を考える場合でも、すぐ契約に進む必要はありません。報告書の不足点、追加で確認したい範囲、費用の上限、報告方法を事前に整理してから相談すると判断しやすくなります。探偵への相談条件や確認項目を見直す場合は、関連記事「無料相談で確認すること」や「探偵の選び方」も参考になります。






